それなのに、何のためにうちにやってきたんだろう。


あたしが小さい頃は、家族ぐるみで付き合っていたからよく互いの家を行き来していた。


お菓子作りが趣味のおばさん。


おばさんの作ってくれたクッキーを優と一緒に食べたっけ……。


でもいつからかおばさんはうちに来なくなった。


いつからかな……?


そうだ、確かあたしと優が中学に入学する前くらいから。


……あれ?


優が変わり始めたのも……確かそのぐらいから。


優が友達をつくらない理由ってまさか……――!!



「優君のお母さんね、美空に聞きたいことがあるんですって」


「……あたしに聞きたいこと?」


お母さんの声でハッと我に返ったあたしは、おばさんに視線を移した。