豪華な廊下を歩く足音に、エマが振り向いた 黄金色の長く滑らかな美しい髪を揺らして、姫君は優雅にエマの元まで歩き、その足を止めた 《リーザさんから、また逃げてるんですか?》 《仕方ないでしょう。見合い見合いって、うるさいんだから》 《リーザさんも、言いたくて言ってるわけじゃないと思いますけどね。まぁ、姫様は結婚、ってイメージないですからね》 エマが笑って、シェリアの落ち込んだ姿に声を返した 《失礼ね。モテるのよ、私》