12月が近づいていた 夏の暑さは影を失い、木々は紅葉し、その葉を落とし出していた 通り過ぎる人々も、冬の出で立ちへと姿を変えていた 机の上に重ねられた本を見つめながら、世羅は図書館の窓から見える紅葉が落ちるのを、横目で見ていた もうすぐ、本格的な寒さが訪れるだろう 「あ・・・・・・・・・・・・・・」 窓から見えた、揺らめく金糸の髪 それを見つけた瞬間、世羅はイスから立ち上がり、重ねられた本を持ち上げた