「あら、日向さん」 冷たく涼しい風が、ドアを開けるのと同時に頬を撫でた 「少し、横になりたくて」 「いいわよ。今は誰もいないから」 保健医は立ち上がり、部屋の奥に置かれたベッドへと向かう 閉められたカーテンを開き、シーツを整える 「日向さん、血圧低いものね。最近は来なかったから、安心してたんだけど・・・」 「油断してたみたいです。でも、以前よりは良好ですから」 ベッドに腰をおろすと、軋んだ音が聞こえた