夏休みが明けて学校が始まった

いつも通り何も変わらない日々がやって来る




「せんせー!」




次の授業に向かう途中に
廊下に響いた生徒の声。
後ろを振り向くと、あたしが担当している英語のクラスの女の子たちだった


「せんせー、久しぶりー!
てかね先生に話したいことたくさんありすぎるんだけど!」


夏休み明けで肌を真っ黒にしたその生徒は
興奮気味にあたしにそう伝える


「何〜?
すっごい気になるけど、もうすぐチャイム鳴るから早く移動してくださーい」


笑いながらそう伝えると
彼女はえ〜!と不満そうに口を尖らせあたしを睨む


そんな様子を見てクスクスと笑ったあたしは
ふと何気なく彼女の後ろに視線をずらした

その瞬間心臓がバクッと音を立てる



「先生、どうかした?」