―――――
―――
「………ってわけなんだけど」
『やっぱり私の勘当たってたじゃん!しかし先生も大胆だねぇ』
私はあのあと、今までのことを絵美に電話で説明した。
『でもさ、和葉はどうだったの?』
「え?」
『揺れなかった?気持ち』
「…ないよ」
ない。
……けど。
あの真剣な表情がずっと頭にこびりついて離れない。
思い出す度に、心臓がじんじんする。
傷つけられた痛みとは少し違う胸の痛み。
電話を切ったあとも、ずっとそのことを考えていた。
.
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…