「・・・・呼べよ。」 吐息が鼻を中心にあたしの顔に広がる。 「息、熱いんだけど。」 「熱いのは、愛菜の顔がほてってるからだろ?」 樋口はあたしの頬に手を添えた。 なんだ、そのやらしい手つきは。 「やめて!!」 手はつかまれてるから 口だけの反抗。 「やめろ!! このキス泥棒!ストーカー!!二重人格!!!」 「じゃないだろ、呼べよ。 俺の名前。」 「・・・・・樋口 疾風。」