それから、少年は、あたしの前に現われなくなった。



あれから2年。


先輩とは、自分から別れた。


ストーカー君がいなかったら、あたしは、まだ先輩と付き合っていただろう。


まだ、先輩以上に好きになれるような人は現われないけど、毎日楽しくやっている。



一度だけ、道で、偶然、少年を見かけたことがある。

ギターを背負った気持ち悪い太った男と一緒に歩いていた。

ホモになったのか、バンドを始めたのか、どっちかだと思う。


すれ違いざまに、少年は、一瞬、あたしにむかって微笑んだ。


あたしも、思いっきり、笑顔を見せてやった。





END