【それぞれの糸ー1】




ゴゴゴゴ……







低い地鳴りが響き、
遠くから
屋敷を眺めている。






「おい…崩れたぞ!!」







祐平はそれを口にすると
螢達は崩れ行く屋敷を
目の当たりにしていた。







真っ赤に燃える火が
5人の姿を照らし出す。







それを
呆然と見据えている…






「んん…」







ここで螢に背負われた
礼子が気付いたようだ。







「やっと起きたか
コイツ。

おい、しっかりしろ」







すると、
礼子は大あくびで
答えた。







「ふああ…
よく寝たわ…」







「コイツ…」







螢は呆れて
パッと手を離す。







ドサッ!!






礼子は
地面にしりもちをついた








「痛った~~~い!!

ピカピカ君!
もっとピッチピチの
プリティーワンダフルな
このレディを
大事にしなさい!!」







そんな文句を言う礼子に
祐平は座り込んで話した







「礼子さん
ずっと気絶してたん
だよ?

踝君が背負って来たから
感謝しなきゃ」







すると
礼子はニッコリとして
螢の足をパンパン叩いた






「な~んだ!
そうだったんだ!

あんがとね!!
ちょっと寄り道したら
遅くなっちゃった!!

いやー感動したわ!!

あ、
そうだ行かなきゃ!」






そう言って礼子は
屋敷の裏側に行こうと
歩き出した。






「ちょ!どこ行くの!」






そう言う朋樹に対し
礼子は手招きをする。






「いいからいいから!
ほら!
みんな手伝って!」





よく分からないが、
言われるがまま
礼子の後を付いて行った