莉子は顔をあげる。 […え?] クラスメートはさっき敦子と全員出て行ったものだと思っていた。 だが、 音もなく彼女は自分の目の前に姿を現した。 不思議に思いながらも誘われた喜びでそんなこと考えなかった。 [うん、…あ、でも私教科書ないから探さなきゃ…] [なら、あたしの見せるよ。行こ?] [あ、ありがとう。]