心配しているのか、嘲りなのか、相変わらず読めない。

「代わるか?」

どうやら、心配されていたらしい。

「魔王様のお手を煩わせるまでもありません」

ジラルは、何も無い空間から、一振りの水晶のように透明な刃をもつ剣を取り出す。

そのまま、剣を勇者に向ける。

「魔王様は渡しませんよ」