「馬鹿だな。幸せにしてやろうと、蘇ったのに。」 詰まる声。 のどの奥が詰まる。 幸せになってもらいたいのに、幸せにしてやれない。 俺は何の為に蘇った? 「…幸せに……してやるんだ」 幸せにしてやろう。 俺が幸せにしてやれなくても、奈々には幸せになってもらいたい。 それが俺の手でなくても。 寂しいけど、死んだ俺は最優先に奈々の幸せを考えるしかない。 寂しいけどさ。