『チッ・・。』
そいつは俺に戻った。
『そうしねぇと、お前は成仏しねぇんだな。』
「あぁ。」
『はぁ・・・。』
そいつは呆れたように笑った。
『どうなってもしらねぇぞ。』
「どうなってもいい。」
そいつは笑っていた。
『お前みたいな往生際の悪い奴はそうそういねぇだろうよ。』
「悪いね、往生際が悪くて。」
『お前の穴を埋めるのは大変そうだな。』
そう言ってそいつは目の前に両手を出した。
「何をするんだ?」
『まぁ、見てろって。』
その手をぎゅっと重ねるとその間から光が漏れる。
『ふぅ・・・。』
「何これ?」
目の前には明るい光を発した球体があった。
『これがお前の生命と体を繋ぐものだ。』
「へーぇ。」
『これを・・っと。』
ずっと俺の前に進んで俺の胸に手を押し当てる。
「暖けぇ・・。」
『このまま押し当てるぞ。』
ぐっと手に力を込め、その球体が俺の胸に入っていく。
「熱ッ!!熱いって!!」
『死なねぇから、黙ってろ。』
「死なねぇって・・・俺もともと死んでるって!熱ッ!!」


