え……?
「美鈴……?」
思いがけない突然の言葉に、目を大きくした。
「ごめんね、急に変な事聞いて」
小さく首を振り、俯きかけた美鈴に質問を返した。
「美鈴、もしかして咲坂さんの事……」
はっと顔を上げた美鈴は、大きく首を横に振った。
「違う違う! 隼人はただの幼馴染だよ。
あのね……隼人、春香の事が好きなんじゃないかと思って」
「えっ……?」
驚きのあまり、つい大きな声が出た。
「さっきも、大地くんに嫉妬してたでしょ?」
「けどあれは、ふざけて言ってただけだよ?」
「そうかな……。そうは思えなかったよ? 幼馴染のわたしにはね」
美鈴の柔らかい微笑みの中、細くなった瞳だけがどこか寂しげに見えた。