僕は皆に見送られて、戦場へ向かう汽車に乗った。

君は泣きながら、バンザイをしていた。


今すぐ君に駆け寄って、抱き締めたい。
離さないように、ぎゅっと。


でも、そしたら僕は……


命をはれない。



僕は敬礼をして、君の元を去った。



ねぇ、僕が帰って来れなくても、あの薔薇を見て笑っていてほしい。


泣かないで、あの優しい笑顔を見せてほしい。