それから数ヶ月が経った。


「あ、おはようミスズ！」

「ハヨ城那！今日数学あんだけど、宿題やってなくてさぁ」

「しょうがないなぁ……午後だよね？昼休みに教えてあげるから頑張って」

「チェー。やっぱ城那はただ写さしてくんないもんなー」


私たちはすっかりと打ち解けていた。

今では一緒に登下校するほどまで仲良くなっていた。

「そうそう、城那に話があるんだけど。そろそろもうよくね？みたいな」

「何？」


『もうよくね？』ってことは、きっと前から話そうとしていた事だ。

ミスズはいつもと変わらず、同じトーンで言った。


「ウチら、アンタの監視役だったの」


――は――？


「蛍都とか陽紀さんたち、知ってんでしょ？監視頼まれてたの」


いきなりのその名前に、一瞬思考が停止した。


「それで、出たよ？敬語が外れた女」