陽紀に軽く肩を押され、よろめいて後ろに数歩下がる。


「もう、関わるな」


どうして、いきなり……?


「ちょ、ちょっとまちなさいよ!どういうこと!?」

「なんなの一体!?辰さん、陽紀さん!!」


扉が、閉められた。

まるでそれが、私との境界だと言うように……。


「ちょ、城那が何したって――」

「もういいよ!!」


……耐えられなかった。


「もう、いいから。しかたがないよ」

「でも城那も納得出来ないでしょ!?」

「……いいから……」


怖くて、勇気が出なかった。

拒絶されたことが、怖かった。


「――あ、城那!?」


私は、逃げた。