「……へ?」
「イチゴショート、あーんで全部食べさせてください」
「イチゴショートは私のもの……」
「だから、あーんで、俺が、涼香様に、食べさせることを了承してください」
真っ赤になるすず。
ふっ、そんな反応を期待していた。
さてどうする?
あーんか、このままか。
小さな復讐だ。
「……わ、分かったわ。分かったから、早く退いて」
「約束ですからね」
そう言ってすずはサッと俺の膝から頭を上げた。
少し膝が寂しい。
「う、ウサギさんの家で、ね」
そう言ったすずに、俺はニヤリと笑った。
「ありがとうございます」
さて、今夜はどんな意地悪をしてやろうか。
そんなことを企みながら、俺はすずと共に家路を歩いた。
Qのお怒り/完