ブーブーと携帯のバイブの音がした。 ―――あ、メール来たのかな? 健史は風呂に上がったばかりでまだ、髪の毛をタオルで拭いている。 ――結局、アクマに会えなかったな… 安達の邪魔も入り、アクマがいる丘への最終のバスに乗り遅れてしまった。 ―――安達のやろー…。 と苛立たしい思いもあるのだが、安達は何故か憎めない存在だった。 頭を拭いたタオルを肩に掛け、携帯を開いた。 やはり、ゆきのからだった。