「えぇ、頑張って下さいね。応援してますから…」 健史は少し、眉を“ハ”の字に寄せ、口はうっすらと笑っていた。 何かを残念がるような… 「…?」 「いや…、なんでもない。」 健史は自分のエナメルを右肩に掛けた。 夜景の光によって時折見せるそのエナメルの光沢は、学生服の健史をより際立たせた。 「んじゃ、帰るわ!」 手のひらをアクマに見せ、丘を降りようとする。 「あ」 途中で一瞬、健史が歩みを止める。