丘の上より





「…気になる人がいるんだ。」




健史は下を向いた状態で、私に聞こえるぐらいの声で話した。




「…ずっと、気になってた。でも今までそれが恋だってことにきづけなくて」





そうか。






健史が顔を赤らめていたのはそのためだったのか―――。






「…うらやましいですね。私にはそんな体験は死んでからしてませんから。」






「…」