教室に戻ったあたしは、しつこく聞いてくる舞の言葉は無視し、早速本題に移った。
『今屋上行ったじゃん?あたし。』
「…うん。」
どこか納得いかないような顔つきだったけど、とにかくは話を聞いてくれる気になったみたい。
『そんときさ……、』
『冬可の彼女さんもいたのね』
ほんとは口にしたくなかった言葉。
あの泣いた日の、屋上で見た光景は舞には言ってない。
『そんで彼女がいたとかいないとかが問題じゃなくて、その彼女さんの名前……。“季空琴華”って言ってたんだよね』
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