長いこと背中にしがみ付いて目を閉じている間にバイクは失速し、そして止まった。 目を閉じていたから、いつどこで警察を撒いたのか知らないけれど。 どうやら安全な場所まで来たらしい。 「いつまでくっついてるつもり? いい加減に離れろ、気持ち悪い」 「あ、ごめん」 まだ彼に巻きついたままの腕に気づき、ぱっと手を放した。