目映い光が部屋の奥まで撃ち抜く。

「この光はーー」

ワイズは小さく笑った。

「一対一の闘いに割り込むとは無粋な真似を。

我が怒りを買うか!立夏の大陸王よ!!」

傷ひとつなく光の中から逃げおおせたサスケが叫ぶ。

その視線の先には、翼が生え、剣を携えるシルクの姿があった。

「…………」

シルクのただならぬ様子に気付いたのはワイズだけだった。

タラリアによってシルクが高速移動する。

「遅い」

側面に現れたシルクをサスケは振り向きもせずに刀で薙ぎはらう。

「その程度の速力で拙者を捕まえられるとでも?」

サスケはシルクの登場に冷静さを取り戻したのかまた霞を部屋中に満たしていく。

そして自らの姿を消すと音もなく忍び寄る。

『ギエエェェッ!!』

オハンが叫び声をあげ、シルクはタラリアで飛ぶ。

「遅いと言っている!!」

しかし、タラリアよりも速くサスケはシルクに追い付き鋭い斬撃を放つ。

「貴様ごときが拙者達の闘いに足を踏み入れるな!!」

「ぐっ」

シルクはなんとか身体をひねり致命傷を免れたが、左肩に大きな傷を負った。

「早春の大陸王よ!

貴様ほどの力がありながら、何故この様な未熟者と手を組んだ!?

貴様にどのような利があると言うのだ!!」

サスケの叫びには怒りが含まれている。

「少なくとも、今君にこんな隙を生んでくれたじゃないか」

背後に現れたワイズ。

翡翠の風がサスケを襲う。

「効かぬわ!!」

風は切り刻まれワイズはすぐに後方に距離を取る。

サスケの怒りが再び煮えたぎる。