フレアが右腕を振るうと、まとわりついていた炎の輪の一つがシルクに向かって飛び出した。


「止めろ『光撃』」

放たれた光が炎に向かい伸びる。

「――なっ!?」

しかし光は炎にぶつかることなく貫通していった。

炎は回転しながらシルクに向かっていく。


「ぐぁぁぁあっ」

炎の車両に弾き飛ばされたシルク。

ガードした左腕に炎がまとわりつき、激しい痛みを伴う。


「おいおいどうした?来客なんだから、オレを楽しませてくれよな?」

炎の車両をフリスビーの様に放つフレア。

車両は横回転をしながら軌道を変え、シルクを捕える。

「くっ、守れ『光幕』」

「はっはっは。無駄だ無駄ぁ!」

シルクの前に張られた光の壁を、すんなりと通過する車両。

「ぐあっ」

数メートル吹き飛ばされるシルク。

車両はフレアの元へと戻り、挑発するかの様に歪な弧を描く。