「ねぇ…?」


長い時間を連れ添った片割れの耳元に口を寄せて、静かに呟く。


「どうした?」


「わたし、分かったの。」



これから口にする言葉を思い浮かべて、笑みがこぼれた。



「だいじょうぶだから。わたしたち、

また必ず会えるから。」


手を握る力が強くなる。


「……あぁ。そうだな。」




「だからね……」





『待ってるよ』




そう言い残して、彼女は逝った。



静かに、未来の約束を残して。