夫に手紙を読ませたが黙っていたので、私はこの手紙を夫が信じ、また実家に行こうと云いだすのではないかと、怖くてたまらなかった。だが、夫は舅に電話をし、このままじゃ都と離婚することになってしまうから、二度と連絡しないように云ってくれと伝えていた。それから、姑と小姑からは連絡がなくなったけれども、次の手を考えたのだろう。

 今度は夫の友人二人を使って、嫌がらせは続いた。

 
 時が経ち、現在も夫の友人から連絡はあり、夫は着信拒否をしているが、それでも番号を代え、掛けてくる。他の人を使って掛けてきたり、手紙も……。とにかく、あの手この手で、離婚させようとしているのだ。

 私は、毎日怯えている。
 姑達の影がちらほら見える度、私は怖くて仕方がない。

 そんな気持ちを夫に話しても、黙っているだけで、私は余計、不安になるだけだった。夫が何を考え、この先どうするのか分からない。それに、夫は私に対して愛情があるのかないのか、それすら判断がつかないのだ。こんな時、私は昔の彼氏を思い出してしまう。忘れられないわけではなく、人に愛された記憶を思い出しているのだ。そうすることで、不安定な心のバランスを取って、何とか立っていられるから。 

 もし、身体の弱い舅が死ぬようなことがあれば、歯止めはなくなり、姑達の暴走は始まるだろう。その時、きっと私は耐えられない。夫は私を絶対に守ってくれないし、また私は孤独になるのだから。

 既に、時限爆弾の導火線には火が点されている。
 いつか、この時限爆弾は大爆発を起こす。
 そして大爆発を起こした瞬間、私は夫と別れるしか道はないのだ。