それから数日経ち、私は携帯電話や、自宅の電話番号も代えた。

 その分、夫に何度も着信やメールがあり、返事はしていないようだったが、もはや夫のことを信じられなくなっていた私は、本当に返事をしていないかは判断出来ない。
 
 更に数ヶ月経ち、姑の汚い字で手紙が届いた。

 そこには、ほとんど漢字を知らないのか、平仮名ばかりの文字で、私に対することが綴られていたのである。始めから、夫が誰かと結婚することには反対だったらしい。相応しいのは小姑だけということなのだろう。そして、夫と結婚した私に対する憎しみを募らせ、小姑の彼氏や、夫の友人を使い、私に嫌がらせを始めたのだという。私が夫の妻でなければ、本当に優しく良い子だと思うが、夏生の妻である以上、結婚したことが許せなかったとも書いてあった。もう嫌がらせはしないから来て下さいねと、文末に記されていた。

 何て自分勝手な人なんだろうと思った。

 あれほど、夫婦の仲を引き裂き、私の精神を破壊しておきながら、よくこんな手紙が書けたものだと、腹立たしかった。それに、この手紙には、自分達がした嫌がらせの内容も、詳しく書いてあるわけではないし、まだ全てが夫の夏生にばれたわけではないと思っているのが分かった。