結婚して半年が過ぎる頃、千香子はカツコに毎日いびられてきたせいか、体重もみるみる落ちていた。


「千香子、お前随分痩せ過ぎてないか? 昼間とかちゃんとご飯食べてるのかよ」


 千香子は精神的にも限界寸前だったこともあり、一郎に打ち明けようか迷っていた。


「おい、聞いてるのか?」


「うん……。一郎さん、私ね」


 千香子は結婚してからカツコにされてきたことを全て話した。けれども一郎は首を傾げ、信じられない言葉を云った。


「ん~。悪いけど、母さんが千香子にそんなことするなんて信じられないよ。気のせいとかじゃないの? それに千香子はどうなの? 母さんに優しく接しているのか? 仲良くやってくれよな」


 その後、一郎は風呂入ってくると云い残し、千香子は寝室で呆然と立ち尽くした。
 裏表のあるカツコの悪知恵にまんまと騙されている一郎。そして、自分の話しを一切信用してもらえなかった絶望感に打ち拉がれ、千香子は涙がポロポロ零れた。




 ガチャ!!