姑を睨みつけると胸倉を掴み、強い口調で質問したのである。


「てめ~人を騙して金は何に使ってたんだよ! 皆の前で云え! 開き直ってんじゃね~よ豚」


 すると、君江の怒りに圧倒されたのか、姑は今にも消え入りそうな声で答えた。


「彼が……だって彼にお金を渡さないと捨てられちゃうもの」


 その後、更に追及したところ、姑は息子の克也と同じ歳の男と浮気をしていたことが分かった。浮気相手の男に貢ぐために、親戚や君江、他にも金融会社から多額の借金をしていたのだという。

 
 この騒動をきっかけに、姑に見切りをつけた舅は離婚届けを突きつけ、克也は親子の縁を切った。そして親戚達からも見放され、半年後、姑は浮気相手の男に別れ話しを持ち出され、別れたくないと男に付きまとい、ストーカー行為をした挙句、包丁で男を刺そうとし、何かに足を躓いたのだろう。運悪く転び、自分の胸に包丁が刺さって死亡。



 親戚一同が次に集まったのは、皮肉にも姑の葬式だった。
 そして誰かが云った……。
「因果応報ね」と。