「涼太……ちゃんとご飯食べてる?」
「あー……それなりに?」
曖昧に答える涼太は目を逸らした。
食べていない…食べられない。
どちらが正しいのか…。
「林檎…食べれない?」
「……ごめん。」
涼太のせいじゃないよ。
だから謝らないでよ…。
仕方ないんだよ。
今は仕方ないんだ。
それでも……私はやっぱり何かを食べてほしかった。
ただ、自分が安心したいがために、元気なんだって姿を見たかっただけだった。
「シズ、悪い…ちょっと外出ててくれるか?」
「なん」
「いいから早く…頼むから」
私、馬鹿だからわからなかった。
どうして、涼太がそう言ったのか…何もわからなかった。
強引に病室の外に出されてすぐに、看護師さんが何かを持って涼太の病室に入っていく。
まだ昼間の今は患者さんや面会者がたくさんいて、ドアが閉められた病室の中の音は聞こえない。
ただ、ドアの前に突っ立って何もできない私。
いつの間にか開いたドアから看護師さんが出てくるまでは何も考えられなくて、何もできない…。
「どうぞ?もう大丈夫だからね?」
「…はい…。」
優しくて安心するように微笑む看護師さんにやっと体の力が抜けた。
「周りにいる人に心配をかけたくないのは誰だって同じなのよ。
だから、貴女は何も悪くないんだから、ね?」
体の力が抜けたのに、足には鉛を付けたみたいな重さがあった。
理解したつもりでいたんだ。
それでも、私は………
何も理解できてなんかいなかったんだね…。

