孝之は志穂の上で腰を振る時、




「志穂、愛してる」




と、いつも耳元で何度もささやくのだ。






普段の孝之は誰に対してもクールで、恋人の志穂にそっけない時がよくある。






そんな孝之が情熱的に愛を語る。





その瞬間が志穂はたまらなく好きだった。





孝之は志穂と出会うまで女性と付き合ったこともなく、性行為に及んだこともない。






必然的に孝之の情熱的な一面は志穂以外は知らないことになる。






孝之の秘密を自分しか知らないと思うと、志穂は優越感で胸がいっぱいになった。







その日も志穂と孝之はよく利用するラブホテルの入り口に吸い込まれるように入っていった