寄生虫

志穂は肩を掴むのをやめて、今度は孝之の髪を掴んだ。



「孝之!たかゆきぃぃ・・・。お願い。このままじゃあ私・・・。ねぇ孝之ったら!!・・・・・孝之?」




志穂は孝之の顔を見た。




目は白目を剥いて、口からはだらしなく舌が飛び出していた。



また孝之の体は、死んでしばらく経ったように固く、硬直していた。




目の前にいる孝之には、まったく生気が感じられず、志穂はまるで抜け殻のようだと感じた。