寄生虫

お風呂場の床は虫が這いずりまわったらしく、ぬるぬると滑りやすくなっていた。






それに気づかずに足を踏み入れた志穂は勢いよく後ろに倒れ、激しく後頭部を打ちつけた。






衝撃により、脳みそが頭がい骨の中でシェイクされて、志穂は脳震盪を起こしていた。





「うう・・・・いったぁ~・・・」




視界がまどろみ、気分がわるくなった志穂は仰向けの状態で、ふと上を見上げた。









天井には、はさみのような口を大きく開けた虫が、唾液を垂らしながら張り付いていた。