ハムパンマン

「こんな森の奥に一人で来ちゃだめじゃないか。ここに何しに来たんだい」





「えへへ。実はお腹が空いちゃって……。森にキノコを採りにきたんだ」






「お腹がすいたのならハムおじさんのところに行けば良かったのに。ほら、僕の頭をお食べ」






「わ~い。ありがとう」
 





カバ吉くんはお礼を言うなり、夢中で僕の頭にかじりついた。








むしゃむしゃと音を立てて、みるみる内に僕の頭は半分になってしまった。







「カバ吉くん。たべすぎだよ」




「……僕ね、ハムパンマンは、ハムとパンがなくても十分いけると思うんだ」



「全部食べるつもりだね。それじゃあ僕は何者でもないただの『マン』になってしまうじゃないか。そんな哲学的なヒーロー、僕はごめんだ」


「えへへ。バレたか」



「こんどハムおじさんの所においで。美味しいサンドウィッチを御馳走してくれるよ」




「わ~い!」