ハムパンマン

ギギギと口の端から泡を吹いて、ハムおじさんは溺れるように、もがいていた。







ばたばたとさせていた右手が何かをつかんだ。







厨房に置いてあった血だらけの包丁を掴んだハムおじさんは僕の腕に向かって切りつけた。







すんでのところで手を離した僕は数歩後ろに下がる。







左手で喉元をおさえながら、ハムおじさんは鬼の形相で包丁を振りかぶる。






僕は横に置いてあった業務用の4キロもある小麦粉の袋を破き、振り回した。