ハムパンマン

インキンマンは僕の足元で土下座のような形で、






「どうか子供だけは勘弁してください!」
 




と、頭を下げる。






構図から言えば、僕は完全に悪役に見えるだろう。






「いや、そんなこと言われても……。」






「子供だけは! まだ生まれたばかりなんです! 親が必要な時期なんです!」





「生まれたばかり?」
 




僕はスキンちゃんのほうに視線を移すと、スキンちゃんの両腕には黒とオレンジのまだら模様の赤ん坊が二人、すやすやと眠っていた。






「あ、あれってインキンマンの子供なの?」






「そうだ。俺様の子供だ。避妊に失敗して出来た子供だけど可愛くて仕方がない。頼むから子供たちを俺様から取り上げないでくれ。他の事なら何でもする」
 





僕はスキンちゃんのくせに避妊に失敗してんじゃねぇよとつっこむのを我慢して、いなくなった子供たちについて聞いてみる。