「さっちゃん」 柔らかい声と共に頭上から降ってきたのは、綺麗に編まれたシロツメクサの花かんむり。 振り返ると、そこにはたくちゃんのいつもの笑顔があった。 「たくちゃん!」 彼の特技の一つだった、花のかんむり。 丁寧に編まれたそれは、決してほどけることがない。 ぶきっちょなあたしの代わりに、たくちゃんはいつもあたしにそれを編んでくれた。 「だいすきだよ、さっちゃん」 …ありったけの笑顔と、最上級の言葉付きで。 【花かざり】