空を飛ぶ魚

授業が始まり、先生が出欠を取り始める。

が、その一番最初で、いきなり返事が返ってこない。


「あー……相田はおらんのか?」


全員に尋ねているようで、その実私にしか聞いていない。

全く、私は彼の世話係ではないというのに。


「えっと……なんか気分が悪いとかで」


答える私も私なのだけれども。

先生はそれだけ確認すると、他の人間には尋ねず、再び出欠を取り始めた。慣れたものだ。

出欠を取り終え、授業が始まったが、私は上の空で、ボーっと窓の外を見ていた。