空を飛ぶ魚

あぁ、だからなのだろう。

私が、たまらなく彼を羨ましく思うのは。

同時に、どうしても手が届かない、ということもわかってしまうのだけれども。

でも、だからこそ、羨ましい。

いつか、彼の見ている世界を見せてもらいたい。

そういったら、彼はどんな反応をしてくれるだろうか。



気がつくと、夕日はとっくに消えていた。

相田君はまだ何かをぶつくさ言っていたが、やがてどうでもいいや、と呟いた。

ホントに、彼らしい。

少しおかしくなって、笑った。