空を飛ぶ魚

最後のセリフは、自分でもわかってないみたいな感じであった。実に相田君らしい。

まぁ、つまり。

一つだけ、わかったことがある。

私達は、鳥でさえないんだ。

私達は、魚。

ぬるまゆい水の中を、流れに身を任せてゆっくりとたゆたう存在。

流されるまま生きて、実は水の外にも世界があることを知らない存在。

そして、彼は鳥。

たとえ逆風がこようとも、その翼で、自分の向かいたい場所へと自由に飛ぶ存在。

次はどこに行こうか、なんて、世界の広さを調べ続ける存在。

私達と同じ姿をしているけれど、中身は全然違う生き物。

そんな彼には、きっと、水の中は余りに息苦しいのだろう。

住む世界が違う。

まさに、そういうことなのだ。