空を飛ぶ魚

「相田君は、どうしてそんなに学校サボって平気なの?」


「……ん?」


「他の皆がしていることと全然違うことやってて、不安になったりしないの?
他の人と同じことしてなくて、自分だけはみ出してるのって、怖くならない?」


「んー……」


黙ってしまった。

これはもう、答えは期待できないかな。

夕日がほとんど沈み、暗くなった道を、無言で歩くこと数分。

ひたすらに沈黙していたが、別段重くはなかった。

彼と一緒にいると、こういうことはよくある。

この沈黙に耐えられないという話を何度か聞いたことがあったが、これはもう、慣れるしかない。

というより、慣れるとむしろ心地良い。

耐えられないなんて思った人はもったいないな。

こんなにも静かな時間を知らないだなんて。