空を飛ぶ魚

級友達とそこそこに挨拶を済ませ、私は教室を出た。

昇降口で上履きから下履きにはきかえ、夕日に染まった道を歩く。

遠くから、バットがボールをとらえる金属音、陸上部の掛け声などが聞こえてくる。

それらに耳を傾けつつ、視点は空に向けながら、私はゆっくりと歩いていた。

雲はほとんどない。見事な五月晴れ。

と、視界の端に何かが映り、目の前に誰かが立っていることに気付く。



あ。



「ただいま」



相田君だ。