お母さんが診察室から出てきた。

瞳にはうっすらと涙が・・・・。
鼻も少し赤い。


泣いたんだ。


そう思った。

あたしの為になんか泣かなくていいのに・・・・。
むしろ泣かないでほしかった。


ほんとのお母さんじゃないから。
迷惑かけたくないよ。



あたしたちは病院をでても話をしなかった。


それでもお母さんが何言われたのか気になる。


「ね・・・。なに・・・言われたの?」

恐る恐る口を開くあたし。

「・・・。碧の病気について。」

「どんなこと?あたしの病気についてって・・・。」

「・・・・。」

お母さんは黙っている。

「話してくれないんだね・・・。」


「・・・。いつか話さないといけない日が来るから

必ず。だからその時まで待って。」

「わかった。」