嬉しさと安心感で胸がいっぱいになり、陸の首筋に顔を埋める。


ぎゅ―っと抱き着いた。



「杏?」

「陸……ぎゅーして……?」


顔を埋めたまま、ワガママを呟く。


誰もいないから良いでしょ?

もっと安心感が欲しくて、陸の温もりを今すぐ近くで感じたかった。



「いくらでもどうぞ」


柔らかくて優しい声が聞こえたと思ったら、逞しくて温かい腕が、背中と腰にまわってくる。

優しく大切なものを扱うように、抱きしめられた。


嬉しくて、陸の服を握りしめて…さらにくっつく。



「陸………」

「ん?」

「……好き………大好き…」



耳元で呟くように小さな声で言うと――…。



「ん……俺も好き」



極上に甘い声が耳元で囁いた。