そこにいたのは、小さな男の子。

多分――年齢は2〜3歳くらい。



「どうかしたのか?」


水口が声を掛けると―…


「いたいよぉ………うわあああん………まんまぁ……」


痛みを訴えてさらに泣き出した。



男の子の膝は転んだのか、赤い血が流れ出し…白い靴下まで伝っていた。

目は真っ赤になるほどに泣き腫らし、鼻水まで出ていた。



母親を泣きながら呼ぶが、近くには居ないらしく……。



二人はどうすればよいのかわからずに困り果てていたのだ。




「おいっボウズ!どこから来たんだ!?」

「うわあああん―――!」

「「………………」」


男二人で頭を抱える。




その時だった。




「どうかしたの?」



澄んだ…でも柔らかくて優しそうな女子の声が聞こえた。