頭の中に、大量に送られてきた暴言メールが浮かぶ。

“別れなさい”

“ブス”

“付き合ってることが恥”

“似合わない”

“釣り合わない”

“バカ女”

“邪魔物”

“陸の人生最大の汚点”

“死ねばいいのに”


顔が青ざめてくるのが、自分でもわかった。


「何その服、どこから盗んできたのよ。警察呼ぼうかしら？」


恐怖が占めた心だけど、今の暴言にはムカつく。

おばさま達が……支度して下さったんだもん。

バカにされるのはイヤだ。


「何よ、その目。私に刃向かう気？ 明日から一家で路頭に迷いたいの!?」

「……っっ……」

睨みつけたのが、反発だと思ったのか……余裕そうに、高笑いをする。

ムカつくけど……黙った。