あたしの作り方を見て、自分も真似る。

それの繰り返し。


1人でまた繭ちゃんが、折りはじめた。

あたしに見せてくれるみたい。


穏やかに過ごしてたのに、部屋の中に1人だけ不満げな顔をしたヤツがいた。


「…………杏」

「ん?」

繭ちゃんから目をそらして、名前を呼ばれた方向を見る。


そこには…………なぜだか拗ねた表情の陸。


「なあに? どうかしたの?」

「繭ばっかり……杏を独占してんじゃねぇか」

「はい?」

繭ちゃんがあたしを独占してる?

意味わかんない。


「何訳のわからないことを言っ……」


最後まで言い終わらないうちに、膝に何かが倒れ込んできた。


「ひざ枕しろ」

「……はいはい」


不機嫌になっちゃった陸の頭を、昼休みが終わるまで撫で続ける。