というか、なんでここに陸がいるのよ!

会うのは、月曜日と言ってなかったっけ?

そ、その前にまず。


「ちょっと! 降ろしてよ」

相変わらず、抱っこ?している陸に頼んでみる。


「あ?」

あ?じゃないでしょ!

このバカは、そう答えたまま降ろしてくれない。


それどころか、会長を睨み付けてる。

変なこと言わないでよ!? 色んな人がいるんだから!


「どうも、うちの杏樹がお世話になりました」


ニッコリと会長に向かって、笑顔でお礼を言った。


「別に。これからも俺が世話して良いんだけど」


フッと挑発するように陸を見る。


なんだか、2人の間に火花があるように感じるのは……あたしだけですかね?

閻魔大王と八岐大蛇が……。


「ご心配なく、コイツのすべてを知ってるのは俺だけなんで」


ひょいっと子どもを抱きかかえるように、あたしを抱き直した。

その言葉は、「会長の世話は必要ない」と、言ってるみたいで。


“絶対に渡さない”

陸の腕から、そんな思いが伝わって来る。


「次泣かせたら、今度こそもらうから」

「あ~? 今夜泣かせるけど? ベッドの中で」


サラッと言ったこの変態バカ殿様。

あたしの顔は真っ赤に染まった。