ぽろぽろと頬を雫が伝う。

ソファーに横になり、膝にかけていたブランケットで顔を覆った。



「…………りー……」


名前を呼んでみても、静かな病室には返してくれる人はいない。


静かに泣きながら、その場で眠りに落ちた。








夢を見た。


繭ちゃんのことじゃなくって……この部屋での夢。


誰かが入ってきて、あたしを見てため息をついてる。

“「風邪引くだろ」”

そういうと、ソファーから持ち上げてお姫様抱っこをされた。

たくましい腕に抱き抱えられて、すごく安心する。



けど……すぐにその温もりは離れてしまい、ベッドに寝かせられた。



“「あと3日待ってろ」”


そう言って髪を撫でると、病室を出て行く。



夢なのか、現実なのか……判断がつかなかった。